化学工学会吹田大会2025

特別講演会

講演1: 16:00-16:45

講演タイトル: 次世代化学産業における化学工学の役割 -DX、AI、CNの時代を迎えて-

講演者: 鷲見泰弘 (株)カネカ エグゼクティブ・フェロー

講演概要:

当社におけるDXに対する取り組み(生産現場におけるAI活用事例、高度データ活用人材教育、AIプラットフォームなど)と米国化学工学会(AIChE)におけるML(マシンラーニング)等に関する研究発表動向並びにCN(カーボンニュートラル)に関連した化学プロセスの電化(”Decarbonization by Electrification”)に関する研究発表動向についても併せて話題提供する。これらのことから、次世代化学産業における化学工学の役割について述べる。

講演者ご略歴:

1980年 横浜国立大学工学部化学工学科 卒業
1982年 横浜国立大学大学院工学研究科化学工学専攻修了
1982年 石川島播磨重工業会社プラント事業本部入社
1987年 鐘淵化学(現カネカ)生産技術研究所 入社
    撹拌槽内の数値流動解析、撹拌翼開発、液状樹脂、機能性食品等のプロセス開発などに従事
2001年 横浜国立大学大学院工学研究科物質工学科 社会人博士課程後期修了
2008年 生産技術本部生産技術研究所長
2013年 執行役員 生産技術研究所長
2014年 執行役員 R&D企画部長
2016年 執行役員 エンジニアリング部長
2017年 執行役員 業務改革部長
2018年 常務執行役員 IoT Solutions Center長
2023年~ エグゼクティブ・フェロー

学会活動:

化学工学会関西支部長(2013年)
化学工学会理事(2013年、2016年)
化学工学会AI・IoT委員会副委員長(18年6月~21年4月)

講演2: 16:45-17:30

講演タイトル: 「われわれはすべてわかって設計しているか (失敗して初めてわかることがある)」

講演者: 小澤守 関西大学名誉教授

講演概要:

技術の発展はシステムの複雑性の増加をもたらし,その結果,単に科学的,技術的側面を見ただけで,現に起こっている現象の合理的な説明ができない場合がある.いくら注意をして設計しても想定を超えたところで事故に至ることが多い.われわれはシステムを全て理解したうえで設計製造しているわけではないことを理解し,様々な側面からシステムを観察すること,様々なセクターの人と話をすること,そしてある程度の範囲まで失敗を許容することも重要だろう.

講演者ご略歴:

大阪大学大学院工学研究科博士課程修了,工学博士
阪大助手,神戸大学工学部助手,助教授
関西大学工学部助教授,教授,社会安全学部教授を経て
現在,関大名誉教授.関西大学社会安全研究センター主幹研究員