CS-2. [HQ,EN,SP,MI] 循環型社会実現のための結合・分解の精密制御に向けた動静脈分野連携・融合の促進<ライブ配信併用><公募なし>
所 千晴(早稲田大学/東京大学)・宮下 哲(東京大学/JST)・眞子 隆志(JST) |
材料や製品の新機能や利便性を追求する一方、プラスチックなどの汎用品の廃棄に伴う環境負荷への影響、炭素繊維強化プラスチックなどの先端材料の廃棄物問題への懸念が高まっている。従来の大量生産・大量消費・大量廃棄型社会から脱却し、持続可能な循環型社会の実現へ向け、材料の使用時から使用後の流れを意識した材料開発が求められている。2021年3月にJST-CRDSが発行した戦略プロポーザルにおいては、上記の研究開発を行う上で、材料科学、化学、物理学、計算科学、データ科学、プロセス工学、リサイクル工学、分離工学といった異なる学術的背景と研究動機を持つ動脈(材料創製)・静脈(分離・分解・リサイクル)分野の研究者が、「結合・分解の精密制御」を共通目的に連携・融合した研究体制を構築することが重要であることが指摘されている。また、同時期に文部科学省から発表された戦略目標では、結合・分解の精密制御を達成し、安定性と分解性の自在制御を可能にするサステイナブル材料を開発することを目的に掲げている。翌4月には当該戦略目標下に設定されたJST戦略的創造研究推進事業CRESTおよびさきがけが発足し、10月より具体的な研究開発が開始されている。さらに、内閣府マテリアル革新力強化戦略においても、バックキャスト型研究で取り組むべき技術領域例の一つとして「マテリアルの高度循環のための基盤技術」が挙げられている。このように循環型社会実現のための結合・分解の精密制御に向けて国として大きく舵をきり始めているなか、動脈分野と静脈分野の研究者間の交流は鼻緒についたばかりである。そこで本シンポジウムでは、動脈分野と静脈分野のより緊密な連携・融合研究を促進することを目的に、関係する研究者が一堂に会し、互いの最新技術動向の紹介・意見交換を行う。
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