SP-3. [特別シンポジウム] SDGs達成に向けた札幌宣言の実行 −ありたい未来社会のための化学工学−<公募なし>
野田 優(早稲田大学)・木村 雅晴(住友化学(株))・饗場 聡(日本化学工業協会)・藤岡 沙都子(慶應義塾大学)・天沢 逸里(東京大学) |
化学工学会では,2019年9月に札幌で開催されたAPCChE2019において『国連持続可能な開発目標(SDGs)に関する宣言−人々の「健康,安心,幸福」のための化学工学−』と題する札幌宣言を発表しました。SDGsを共有ビジョンとし,EfficiencyからSufficiencyへ,効率性を追い求める社会から充足性を感じられる社会への変革に向けて,化学工学者が,化学工学と関連する技術の進歩を通して,人々のウェルビーイングの推進へ貢献することを第一の目的とします。
この札幌宣言の実現に向けて,これまでの秋季大会や年会において「多様な分野の協働で実現するサーキュラーエコノミー」「安全な水への化学工学の貢献」,そして「多様な人材が活躍する未来の化学工場」といった宣言に含まれる内容に関連したテーマでシンポジウムを開催し,全員参加型のグループ討議も行い,学会内外の方々と議論を深めてきました。
今回の年会シンポジウムでは,札幌宣言の共有ビジョンである「EfficiencyからSufficiencyへ,効率性を追い求める社会から充足性を感じられる社会への変革」について、SDGs検討委員会のメンバーで取り組んだ活動の成果をテーマとして取り上げます。活動の成果は、具体的には①EfficiencyとSufficiencyは対立する概念ではなく、Efficiency + Sufficiencyであること。②技術者は「ユーザー(=社会の構成員)と一緒に社会づくりを進めている」認識が必要であり、③地域毎に何を必要としているか(解決すべき社会課題)を勘案して、それに対して「既存の技術が適合するか」、「適合技術が無いならどんな技術が必要なのか」を考えることが重要であることを基本コンセプトとしてまとめました。得られた基本コンセプトを題材に、他分野の人と議論し意見や考え方を融合して、札幌宣言の共有ビジョンを具現化し「ありたい未来社会のための化学工学」への道を探ることを目的とします。
シンポジウム番号・講演分類番号一覧